2022-10-14 –, pyconjp_4
Language: 日本語
Jetson Nanoを用いたエッジAIの構築方法を紹介します。Jetson NanoはGPUを搭載した小型コンピュータです。画像認識や物体検知などAIを用いたリアルタイム処理が可能でコロナ禍の今、その活用の場は増えています。Jetson Nanoの開発に欠かせないJetPack SDKでは、エッジAI開発の助けとなるツールやPythonライブラリが豊富にそろっており、エンジニアも独自のアプリケーションを開発し世の中の課題を解決できるようになってきました。この発表ではエッジAIの構築におけるノウハウやエッジデバイスでアプリケーションを動かす上で経験した課題やその解決策を紹介します。
詳細
近年、感染症の流行や人材不足が社会問題として取り沙汰されていますが、そんな中、製造、農業、ヘルスケアをはじめとする様々な分野でエッジAIによる自動化が進んでいます。皆さんはエッジAIの開発にどのような印象をお持ちでしょうか。ハードウェアを用いることから難しいと感じるかもしれません。しかしながら、Jetson Nanoを使うことで比較的簡単にエッジAIを構築することができます。JetPack SDKでは、開発の助けとなるツールやPythonライブラリ(TensorRT、cuDNNなど)が提供されており、AIやハードウェアに詳しくない方でもチャレンジしやすいです。この発表ではこれからエッジAIの開発をやってみたい方向けに、その構築方法を紹介します。具体的には、私自身が取り組んだDarts Score Detectionというプロジェクトを例にデータの収集方法、AIモデルの学習方法、エッジデバイス上での推論などエッジAIを開発する上で欠かせないノウハウを共有します。
Darts Score Detectionについて
このアプリケーションは、ダーツボードに刺さった矢を検知して自動的にスコアを計算し表示するというものです。通常の物体検知とは異なり、その物体が何であるかを検知するだけではなくダーツボードと矢の位置関係からスコアを予測することができます。身近なトイプロブレムを題材に扱うので、初心者の方でも理解しやすいと思います。
GitHub:https://github.com/kawasaki-kento/darts-score-detection
構成とタイムライン
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導入(4min)
- 自己紹介
- 発表のきっかけと目的
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Jetson Nanoとは(5min)
- Jetson Nanoのハードウェア的特性やJetPack SDKを紹介
- 実際にどんなアプリケーションが作れるのか
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エッジAIの構築方法(15min)
- Darts Score Detectionの概要
- 画像データの収集方法
- SSD-MobileNetからの転移学習
- 矢の検知とスコアの推定
- エッジデバイスでプログラムを動かすときの課題とそれに対する解決策
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まとめ(1min)
- これからエッジAI開発を始めようとされている方に向けて役立つ情報を共有
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質疑応答(5min)
人工知能と自然言語処理が専門の研究者。