2022/10/15 –, pyconjp_4
言語: 日本語
量子コンピューターがニュースで頻繁に取り上げられ、名前を聞いたことある人も増えてきているだろう。このトークではそもそも量子コンピューターとは何かという基本から、量子コンピューターがどんなことに使えそうかといった応用先をお話する。特に、量子コンピューターを支えるSDKであるQiskitを中心に紹介したい。Qiskitは主にPythonで書かれており、Pythonのライブラリ開発の観点からも興味深い点が多いだろう。
このトークでは量子コンピューターが何かを知らない人を対象に、量子コンピューターを紹介する。量子コンピューターはそれ自体が独立したコンピューターであるというより、GPUのようなハードウェアアクセラレータの側面が強い。つまり、コンピューター、あるいはスーパーコンピューターを置き換えるものではなく、コンピューターと一緒に使っていくものである。量子コンピュータを呼び出すインターフェイスは、現時点ではPythonで提供されることが多い。この講演では量子コンピューターのSDKであるQiskitを用い量子コンピューターで計算を実行するデモを行なう。量子コンピューターの応用先については研究途上であるが、どのような分野で利用されていくことが期待されているのかについても紹介したい。
量子コンピューターのライブラリ開発には量子コンピューター自体を深く理解していなくてもPythonという切り口から貢献できることも多い。Pythonistaの皆様にとって、本トークが量子コンピューターとの「出逢い」となり、量子コンピューターのOSSに参加するきっかけになれば幸いである。
予定稿:
・量子コンピューターの紹介 (10分)
・量子コンピューターとはなにか(3分)
・量子コンピューターの最近の開発状況(2分)
・量子コンピューターの応用のOverview(1分)
・量子コンピューターの応用 -自然科学- (1分)
・量子コンピューターの応用 -最適化- (1分)
・量子コンピューターの応用 -機械学習- (1分)
・量子コンピューターの応用 -ファイナンス- (1分)
・ Qiskitを使った量子コンピューターのデモ (10分)
・量子回路(2分)
・Samplerプリミティブ(2分)
・Estimatorプリミティブ(2分)
・量子アルゴリズム:Variational Quantum Eigensolver (4分)
・ NumPyやRustを用いたパフォーマンスの改善 (5分)
・ Qiskit Advocate と QAMP (Qiskit Advocate Mentorship Program)の事例紹介(5分)
量子コンピュータの研究者。2020年に博士(工学)を取得後、IBMに入社、以降量子コンピュータの研究・開発に携わる。Qiskit Advocate。Qiskitのコミッターである。