PyCon JP 2026

作って理解するCoding Agent 〜フレームワークに頼らないピュアPythonでの実装〜

Claude CodeやCodexをはじめとするCoding Agentは、もはや多くのエンジニアにとって日常的な開発パートナーになりつつあります。一方で「その裏側で何が起きているのか」を自分の言葉で説明できる人はどのくらいいるでしょうか?便利ではありますが、中身はブラックボックスなことが多いと思います。

本セッションでは、Congin Agentを「自分で作る」ことで理解を深めていきます。Coding Agentを構成要素まで分解すると、LLM APIとの対話、ファイルの読み書き、シェルやGitなど外部コマンドの実行、それらを束ねる思考ループ(agentic loop)、そして暴走を防ぐためのガードレールなどの組み合わせです。これらを、LangChainやLlamaIndexといったフレームワークにあえて頼らず、Pythonの標準ライブラリと最小限のLLM SDKだけで組み上げていきます。

実装過程で実際に踏み抜いた「思考ループの打ち切り設計」「コマンド実行の権限分離」「コンテキスト長との折り合い」など、どうすれば良いのか?と悩んだポイントについても共有します。

Coding Agentを「使う」だけでなく、「自分で設計し実装してみたい」人にとっての、最初の一歩になるセッションを目指します。

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2019年から機械学習エンジニアとして業務を行っており、自社が運営するコミュニティサービスのコンテンツモデレーションやレコメンド機能の実装、検索システムのリプレイス、全社データ基盤の構築など、Python中心の開発に携わってきました。

直近はCTOとして、Claude Codeをはじめとする各種Coding Agentを開発組織へ全社的に導入・運用しており、「AI Nativeな開発組織をどう作るか」に日々向き合っています。一方で、ツールを使い込むほどに「結局、中では何が起きているのか」という疑問は大きくなり、最小構成のCoding AgentをPythonで実装してきました。

普段当たり前のように利用しているCoding Agentを、自分の手で作った時に得た知見をコミュニティに還元できればと思います。

What discussions can you have with attendees through this talk?

本発表は「これが正解です」というものではなく、実際に設計・実装してきた中での知見共有を想定しています。そのため、以下のような議論ができると考えています。

  • フレームワークに頼る/頼らないの境界線はどこに引くべきか。最小実装で十分な場面と、LangChainなどの高機能フレームワークが本当に効いてくる場面の違いは何か。
  • ファイル操作やコマンド実行をエージェントに許す際、安全性(サンドボックス化、権限設計、暴走時の打ち切り)をどう担保するか。
  • 自作の最小エージェントと、Claude CodeやCodexのような製品レベルの間にある差分はどこにあるのか。
The speaker's profile picture
Takanobu Nozawa

中学生の頃にインターネットを通じた情報共有・コミュニケーションに魅力を感じ、大学では情報学を専攻。
卒業後はSIerに就職し、製造業向けERPパッケージの開発・導入に約5年間従事。
2019年3月に機械学習エンジニアとしてコネヒト株式会社へ入社し、コミュニティアプリ「ママリ」におけるコンテンツモデレーションシステムやレコメンドシステムの導入、検索システムのリプレイスや全社向けデータ基盤の構築などに従事。
その後、エンジニアリングマネージャー、プロダクトマネージャーを経て、2026年4月にCTOに就任。