Pythonで構築する人口移動ナレッジグラフ:NetworkXとGraphRAGによる意味的地域検索
本発表では、Pandasで前処理した地域統計・人口移動データをNetworkXのグラフに変換し、ノード・エッジ設計、属性付与、検索用データ化、GraphRAGの考え方を取り入れた意味検索アプリ実装までを紹介します。具体的には、
- 全国1741市町村の統計データであるSSDSE(教育用標準データセット)と、住民基本台帳人口移動データによる市町村間の人の流れを組み合わせることで、地域の動的な関係性をグラフとして表現します
- 構造化されたグラフとテキスト情報を活用し、自然言語で対話できる意味的な地域検索アプリのデモも行います(例:「広島と教育・医療・福祉のレベルで似た市町村は?」)
- 静的なテーブルデータを、地域間の関係性を捉えた知識グラフに変換し、生成AIと組み合わせてインタラクティブに活用する一連の流れを解説します
グラフデータに関する事前知識は一切不要です。この機会に一緒に入門してみませんか?
目的
- 静的なテーブルデータをPythonで関係性を持つ知識グラフに変換し、対話的な意味検索に活用する流れを示す
- NetworkXによるグラフ構築からGraphRAGなどによる意味検索まで、一連の実装を通じて、グラフデータ分析と生成AI活用に入門しやすいことを伝える
どんな方に聞いてもらいたいか
- ネットワーク分析やグラフ理論の応用に興味がある方
- テーブルデータや非構造化データを、グラフ構造として表現・活用する方法に興味がある方
- 公的統計データのような、身近で複雑な実データを活用したAIアプリ開発の具体的なプロセスを見てみたい方
- LLMを活用して非構造・半構造データを構造化する際の課題に関心がある方
Tell us about your own experience with this topic
業務や研究では農業・教育ドメインを対象に、構造化データや生成AIを活用した分析・プロトタイピングにも取り組んできました。
また、本発表は、PyCon mini東海 2025での発表をベースにして、前回では触れられなかった地域の動的な関係性までを含めた構成としてまとめるものです。(前回資料は https://x.gd/Ffikh で公開中)
LLMで非構造化データからグラフ抽出する場合、LLM自身の知識を使ってソースデータにないデータもノードとして追加してしまうなど、ドキュメントから構造化データに変換する過程でハルシネーションで困ることが多いと思います。
これらを防ぐための考え方(例えば、入力文書中の文字・単語の位置を指定して抽出する、など)にも触れることで、つまずきやすい点の解決策も示します。
また、自身の経験を活かして、扱う領域自体は広く応用的なトピックでありテーマ横断的な内容だとしても、生成AIを活用することで初学者でも高速にプロトタイピングしながら、同様な分析・アプリ化・実装に至るまでの追体験ができるようになることを目指します。
What discussions can you have with attendees through this talk?
議論したいのは大きく2点あります。
技術の選び方→発表後のQ&A
昨今は生成AIを使えば、誰でも簡単にプロトタイプが作れる時代です。だからこそ本発表では、
- なぜその技術スタックを選ぶのか
- なぜこの構成にしたのかのこだわり
など、一つ一つの構成要素に触れながら、参加者の方々だったらどのように選択するか、他に利用可能な技術スタックや利用可能なデータ、応用事例、つまずきやすい点など、発表では触れられなかった他者の経験について参加者から引き出すような問いをいくつか設定し、QAセッションでは議論できればと思っています
生成AIを前提とした初学者の育成→懇親会
私のメインの業務領域はデータ分析や顧客CXが中心ですが、同じことはソフトウェア開発の育成にも当てはまると思っています。
- 育成のどこをAIで効率化・自動化でき、逆に最後まで人が担うべきところはどこか
- 誰でも分析できる・コードを書けると言うときの範囲はどこまでか
- 中身を理解しないままAIの出力を使い続けるリスクと責任は誰が負うのか
など、生成AIを前提とした初学者育成のあり方についても議論したい
NTTドコモビジネス株式会社(旧:NTTコミュニケーションズ)の新規事業創出を担うイノベーションセンター所属のITアーキテクト兼データサイエンティスト。データ分析Webアプリケーション開発、データ分析コンサルティング、プリセールスの関連業務に従事。時系列データ分析を専門とし、顧客の業務課題を分析で解ける形に整理したうえで、実現方式の設計から現場での活用定着までを一貫して担う。
過去の PyCon JP関連発表
- PyCon JP 2025
- PyCon JP 2024
- PyCon mini 東海 2025
- PyCon mini 東海 2024
- PyCon Kyusyu KAGOSHIMA 2024